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マスク研究13 「仮面ライダー煌鬼」 [マスク研究レポート]

ライダーキラメキ1.1.jpg


劇場版 仮面ライダー響鬼「7人の戦鬼」に登場した煌鬼(キラメキ)。

テレビシリーズの時代を遡った時代劇調の舞台で、日本全国から鬼戦士たちが集結するその中の一人、
愛知県 名古屋出身の煌鬼は陽気に名古屋弁をしゃべる、ちょっとお調子者の鬼戦士。

変身の際には周囲に金粉が噴き出し、両肩に装備したシンバル状の円刀を駆使して活躍しました。

キラメキスラント1.1.jpg
名古屋城名物、「金のシャチホコ」をあしらった豪快な煌鬼のマスク。
天に向かって大きく反り返った尾ビレはまさしく城の天守にきらめくシャチホコそのもの。

このシャチホコは厄除け・魔除けといった祈願が込められた建築装飾であることから、
魔物退治をするライダーにとっては縁起の良いモチーフでもあります。

名古屋城のシャチホコには本物の「金」が使われてきたことから、
築城後、金製のウロコなどを盗みだそうとする輩がしばしば現れたそうです。

江戸時代には、なんと「大凧」に乗って天守のシャチホコを狙った人物までいたそうですが、
変身前の煌鬼が旅の一行に合流する初登場シーンでは、煌鬼自身が大凧につかまり、
風に乗って空からやってくるという、この逸話を基にしたであろう演出が見られます。

キラメキアップa.jpg
大きな特徴である頭部のシャチホコを引き立たせるためか、
鬼の顔自体はグラデーションのないシンプルな黒塗りの顔です。

こめかみのあたりから3本の牙が、そしてアゴ部分から伸びる牙l状の造形によって、
黒い顔そのものが大きく開いたシャチホコの口のようにも見えるものになっています。

キラメキ正面2.0.jpg
頭の上へ大きく”尾ビレ”が立ち上がるマスク造形は、
マスク左右から突き出た”ヒレ”が作るV字のラインによって視覚的なバランスが保たれており、
同じく顔の銀色の隈取りも中央でV字のラインを作り、正面アングルの表情を引き締めています。

一見地味ながらもこの隈取りラインが絶妙な配置であり、
中央からやや下向きに顔の側面をなぞる流れは、
上に向かう流れの造形が目立つマスクに安定感をもたらしています。

キラメキ側面2.0.jpg
また、横アングルでも、トサカのように前へせり出す尾ビレに対し、
耳の位置にある両ヒレをカウンターとして後ろへ流すことで、造形の偏りを相殺しています。

イメージソースである天守のシャチホコの尾ビレはほぼ真上に伸びる形状ですが、
マスクのモチーフとして”らしさ”を損ねないこのような形状のアレンジのさじ加減は見事です。

少し話は変わりますが、マスコレの煌鬼、本物とは一部彩色が異なります。
撮影で使用されたマスクは後頭部の下半分が黒っぽい彩色ですが、
上の写真のようにマスコレの煌鬼はすべて金色になっています。
また、響鬼・特写写真集に掲載されたデザイン画でも後頭部の塗り分けを示すカットがあるので、
おそらくマスコレ製品化にあたり見落とされた点であることがうかがえます。

キラメキ額2.0.jpg
響鬼に登場するライダーの額には小さな鬼面の彫刻がありますが、
煌鬼の場合、それに相当するのはもちろんシャチホコの顔。

前述のように”顔”自体の主張が控えめな分、シャチホコをメインに据えた力強さが目を引きます。

シャチホコの顔は虎や龍など、由来は諸説あるようですが、
力強い眉や鼻先が段状になる口吻は明らかに名古屋城のシャチホコを思わせる意匠で仕上げられています。

あらゆるモチーフを取り込みながら常に新しいヒーローが生み出される「仮面ライダー」。
同じ名前を冠するヒーローの中でこれだけバラエティに富んだシリーズは他にないでしょう。

おめもじでした。

関連記事
マスク研究20 「仮面ライダー弾鬼&鋭鬼&裁鬼」
マスク研究09 「仮面ライダー歌舞鬼」
マスク研究05 「仮面ライダー轟鬼&斬鬼」


劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼 [Blu-ray]



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