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仮面ライダードライブ、後頭部からつま先まで車全開デザイン [新仮面ライダー考察]

ひさしぶりの更新となってしまいましたが、見逃すわけにはいかない新仮面ライダー、
「仮面ライダードライブ」。

フルーツ鎧で話題をかっさらった鎧武とバトンタッチするのは、
「車」全開でやってきた赤いライダー、「ドライブ」。

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宇宙飛行士、指輪の魔法使い、フルーツ武者、と様々なイメージから創造されてきた近年の仮面ライダーですが、
「車」という、ヒーローとしては王道を行くモチーフのドライブ。

鎧武が奇想天外な発想だっただけに、こういった正統派は新鮮に映ります。

しかし、車や乗り物といったイメージソースは同じく東映特撮ヒーローなどでは、
度々使われてきた子どもたちの夢を乗せるアイデアであるわけですが、
「仮面ライダー」という舞台でどのように演出されるのかが見所です。

そもそも多くの人が気になるところであろう、車。

仮面ライダーと言えば、初代藤岡1号から乗ってきたバイクはどうした?
ライダーならバイクだろ? …という声を避けられないところでしょう。

1年間の放送が終わったときに「ドライブ」はやっぱり車でなきゃ、と言わせるような、
車という要素がドライブの戦いにどういった味付けをしていくのか、注目です。


そして当研究所の注目点は「デザイン」。
仮面ライダードライブのデザインについてシフトしていきます。

まずはドライブの色彩ですが、全身のプロテクターを彩る
専用車であるマシン「トライドロン」のメインカラーと同じ配色になっています。

この赤はクウガやカブト・Wのアクセルで使われたメタリックな赤とは違い、
車体塗装をイメージさせるグロッシーながポイントです。

ヒーローカラーとして非常に映えるメタリック感のほとんどは、
マスクやベルト・ひざ当てのシルバーに割り振られています。

次にデザインの線、シルエットで特徴的なのが、
胸のタイヤをはじめとするスピードを感じさせる直線的なペイントが非常に多い中、
赤いマスクとプロテクターは乗用車やレースマシンの車体を思わせる、
独特な立体彫刻を施された図面に起こすのが難しそうな三次曲面を多用した形状であることです。

そのプロテクターに覆われる黒いベーススーツとなる部分ですが、
ここに仮面ライダーとしての大きな特徴が表れています。

上腕と腹部から太もものボディ両側面にかけて「白い2本線」が走っています。
これはまさに新1号と呼ばれる初代仮面ライダーのデザインの再現と見て間違いないでしょう。

手足をスマートに見せ、かつ手足の動きを目立たせるこの白いライン。

また、両手両足が赤いグローブ・ブーツを着けた2号をも思わせる配色です。
バイクという伝統は破りながらも、
スーツデザインにおいては初代仮面ライダーのテイストを色濃く受け継ぐものとなっています。

ドライブトップ.jpg

やはり役者ともども「顔つき」は大事なポイント。
マスク造形を見ていくと、まず特徴的なのが頭部のウィング。

F1などのレースマシンに見られる安定翼をイメージしているであろう、ウィング。
後方へ流れていく左右のツノに支えられる形で水平に張られています。

やはり仮面ライダーのマスクのバランスは工夫が随所に見られます。
正面から見て真横に長いウィングは、マスク中央を縦に走る白いラインによって、
視覚的なバランスが整えられています。

ウィングからつながるV字がつくる▽逆三角形のシルエットは、
特徴的な分、目立つあまり頭でっかちに見えてしまいがちですが、
白いラインをウィングにもペイントすることで、マスクの統一感が支えられています。

マスク上部は車のボディをイメージさせるなめらかなフォルムで統一されていますが、
複眼より下の部分は、ダブルの変身ベルトよろしく、
車のメカニカルなイメージを前面に押し出した「ゴチャメカ感」が魅力です。

マスクにおいても車のボディと裏側のシャーシ部分の雰囲気を切り替えているようです。

ここに画像はありませんが、ドライブのスーツ背面も同じようなテイストでまとめられてます。
背中はプロテクターの赤い面積が少なく、黒いのですが、
この黒い部分は車を裏側から覗いたようなフレームやパイプ・シャフトを思わせる、
ディテールぎっしりのハードなデザインでまとめられているのもポイントです。

複眼は車のライトのようなパターンが見られ、
予告映像などを見ると、今回はフォーゼやアクセル・ファイズなどのように目が発光する、
「電飾面」が用意されているようです。

スーツアクターさんは大変でしょうけども、
やはり目の発光は見栄えがいいので非常に楽しみです。

マスクの口元にはマフラーの熱変色のような細かいグラデーションが見られたり、
車要素を全身に詰めに詰め込んだこれでもか、というくらいのカーライダーがやってきました。

ドライブは仮面ライダーの歴史の道をどう走り抜けていくのか、
また1年間見届けていきたいと思います。

おめもじでした。

仮面ライダードライブ 変身ベルト DXドライブドライバー & シフトブレス



タグ:ドライブ

フルーツ侍、仮面ライダー鎧武デザインを読む [新仮面ライダー考察]

「仮面ライダーウィザード」が事実上の最終回を迎え、新たな次世代ライダーの登場を待たれる今。

ウィザードを継いで活躍するのは 【仮面ライダー鎧武/ガイム】。

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青いスーツに2本の刀を携えた鎧武。

鎧武の名前が示すように、鎧武者のような兜と甲冑に身を包み刀を持つ姿はまさに武士。

そしてすでに知られているように鎧武デザインの大きな特徴は、
【果物/フルーツ】を鎧にトッピングしているという前代未聞のヒーローデザインなのです。

兜と胴、肩の大袖部分にみかん/オレンジの皮肌をイメージしたであろう配色、
そして鎧の表面の丸い突起群は鋲(びょう)のイメージも再現しているのでしょう。

鎧+フルーツという、まったく関連性を想像できない要素を、
仮面ライダーという器に盛り込み、またまた斬新極まりないライダーが生まれました。

さすがに仮面ライダー、誰が予想できるだろうかというグレイトなチョイス。

過去にも、桃太郎などの民話と電車を掛け合わせた、
トンデモチョイスだった2007年の「電王」がフタを開けてみれば異例の大ヒット作品になったように、
鎧武もまた、大化けする可能性を秘めていると言えるかもしれません。

さらに鎧武が扱う武器は武士らしく、「刀」。
剣というよりも、あくまで日本刀のイメージに近い刃の武器を持っていますが、
この刀という要素も人気に拍車をかけるであろうものと思われます。

人気作品が名を連ねるコミック誌、週刊少年ジャンプの人気漫画には、
ワンピースやナルトなど刀を振るキャラクタ-がいるという共通点など、
直接的ではないにせよ、刀人気の影響力を考えさせる話はいくつかあります。

刀と特撮で言えば、まだ記憶にも新しいシンケンジャーの例にもあるように、
一定の人気を集めた例があります。

鎧武の持つ2本の刀は連結させて大振りのナギナタとして使えるそうですが、
画面で大きな武器を振り回す、これは映像映えするアクションを見せてくれそうです。

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全体的なマスクのイメージはまさに兜。
額を飾る鍬形、頭部左右にある吹返しの造形により日本風の兜が再現されています。

鎧武の面は、最近の主役ライダーでは珍しくはっきり2つ目の複眼ではなく、
みかんの果実をカットした房状のパターンが並ぶ、ゴーグル状の複眼になっています。

どうやらこの複眼パターンは武装する果実のイメージで変わっていくようです。

一見、目立ちにくいのですが、アゴの部分の造形はまさにクラッシャー。
はっきりとした牙状のアゴは「キバ」以来となる仮面ライダーらしさを語る部分となっています。


改めて全身を見返してみると、×黄色の配色は、
前作のビーストハイパー、前々作のメテオストームに見られた配色ですが、
この色合いは子供ウケがいいのでしょうか。
そうであればこの配色を主役に抜擢するのは自然なことなのかもしれません。

仮面ライダー鎧武には序盤から複数のライダーが登場するらしく、
鎧武以外にもバナナ、ブドウ、メロン、ドングリ(!?)のライダーが紹介されています。

フルーツという素材がいかに作品中で調理されていくのか、鎧武の大きな見どころです。
ここは中途半端に出し惜しみせずに果物でぶっちぎってほしいと思います。

おめもじでした。

仮面ライダー鎧武 (ガイム) 変身ベルト DX戦極ドライバー 仮面ライダー鎧武&バロンセット






タグ:鎧武

2013~14年 新仮面ライダー大予想 [新仮面ライダー考察]

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シャバドゥビタッチ・ガンターン シャバドゥビタッチ・シンネーン

2013年も当研究所は仮面ライダーデザインに注目します。

ところで平成ライダーは現在のウィザードで14作目、
6歳の頃にクウガを見てたお子さんは今や成人を迎えるくらいの月日が経つわけです。

毎年、作風を変えて新しい仮面ライダーが登場していますが、
長い目で見ると5年ごとに共通の特徴を持って新しい変化を迎えているのではないか、と思うのです。

これを【平成ライダー5年周期説】として、ウィザードに続く新ライダーを予想していこうと思います。

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これはセブンイレブンのスタンプラリーキャンペーンのスタンプ見本の一覧で、
左上のクウガから5年ごとに折り返し、ウィザードまでの主役ライダーが並んでいます。

●まずクウガ(2000)・響鬼(2005)・ダブル(2010)の世代の特徴とは。
新生仮面ライダーとして、斬新なボディスーツが採用される年

・クウガは石ノ森先生が亡くなった後に新時代の仮面ライダーとして企画された作品。
・響鬼は前作ブレイドをもって一旦仮面ライダーではない特撮ヒーローを出発点として企画された末のライダー。
・ダブルは平成ライダー10周年記念のディケイド後の初のライダー。

クウガでは戦闘スタイルの異なるの4色のフォームチェンジによって
多彩なカラーリングのスーツを登場させ、以後このスタイルは度々踏襲される。

響鬼では全身に「マジョーラカラー」という光の当たる角度によって、
異なる発色を見せる塗料でペイントされた独自のスーツで活躍した。

ダブルでは、半身ごとのツートーンカラーのボディスーツで、
左右3色ずつ特徴のあるスタイルに変身、臨機応変・変幻自在に活躍した。

またいずれの3作品も最終回では、それまでのストーリーの「後日談」が描かれている。

●アギト(2001)・カブト(2006)・オーズ(2011)の世代の特徴とは。
仮面ライダーのスーツバリエーションが一気に増える年

アギトでは、アギト・G3・ギルスと、異なるデザインラインのライダーが複数登場するようになり、
それぞれパワーアップした姿も披露され、物語を盛り上げた。

カブトでは、ライダーごとに重厚なプロテクター姿のマスクドフォームと身軽なライダーフォームの姿を持ち、
ライダー自体も多数登場した。

オーズでは、3枚の変身メダルの力を、頭・上半身・下半身の3か所に振り分けて変身、
カラフルな変身バリエーションは理論上、100種以上の姿を持つことに。

また、この世代は料理や食べ物を象徴的に扱うシーンが多く、
料理の得意なアギト、カブトの主人公、バースディケーキ作りにいそしむ会長や、
頻繁にアイスを求めるオーズのアンクなど、食に関する要素が見られる。

さらに主役ライダーのバイクはそれぞれ変形する構造を持ち、
怪人との戦いの決め手となりうるメカニックとしてアクションシーンに華を添えた。

●龍騎(2002)・電王(2007)・フォーゼ(2012)の世代の特徴とは。
約束と願いを託された、びっくりデザインライダーの年

今までにないヒーローデザインが物議をかもし、賛否両論ながらも人気を集め、
キャラクター商品売上高が伸びる年。

龍騎は、鉄仮面をつけたようなマスクの13人のライダーがそれぞれ力を与えられるモンスターと契約し、
バトルロワイアルに勝ち残った者の願いが叶えられるというドラマ。

電王は、桃を割ったような大きな複眼が特徴の仮面をつけ、時間を行き来できる電車を操り、
願いをかなえる契約を結び、過去を荒らす怪人イマジンとの戦いが繰り広げられた。

フォーゼは、ロケットを模したマスク、宇宙服をイメージした白いライダーに変身する主人公が、
歪んだ願いを叶えるために受け取ってしまった怪人スイッチで変身した学園の生徒と戦い和解し、
友達になっていくストーリー。

この世代のライダーは、別次元の世界を戦いの場所とすることが多く、
龍騎のミラーワールド、電王の過去世界、フォーゼの宇宙空間など作品を象徴する「場所」が舞台となる。

●ファイズ(2003)・キバ(2008)・ウィザード(2013)の世代の特徴とは。
怪人の力を宿す、大きな複眼のクールライダーの年

いずれも主人公が自身の怪人の力によってライダーに変身できるという面を持ち、
洗練されたスタイリッシュなイメージのスーツが特徴。
怪人を倒す際や変身時に「紋章のようなマーク」が浮かび上がる演出も象徴的。

ファイズの主人公は怪人オルフェノクであり、携帯電話に変身コードを入力し、変身。
マスクの大部分を占める円状の複眼がメカニカルなイメージを演出した。

キバの主人公は怪人ファンガイア族の血を引く生まれで、
コウモリの羽を模したような黄色い大きな複眼が特徴のライダーに変身した。

ウィザードの主人公は、人間から魔物を生み出す儀式に陥りながらも、
自身の意志の力で魔物の出現を食い止め、指輪の魔法使いになることに。
指輪の宝石を模したマスクのライダーに変身する。

●ブレイド(2004)・ディケイド(2009)・来年の新ライダー(2014)の特徴は?
世界の破滅を防ぐために、カードを操り戦うライダーの年

トランプのような特殊な力の宿るカードを駆使し、様々な能力を引き出し戦うブレイド。
過去の平成ライダーに変身したり、その能力を再現するカードを使い戦うディケイド。

ともに最終的にそれらのカードを全身にまとうようなパワーアップを果たし、
カテゴライズされた世界観というのも共通の特徴です。

また、それまでの仮面ライダーで培ってきた”要素”の総決算とでもいうべきタイミングであり、
ブレイドでは、古代の怪人が一定の仕組みにのっとり暗躍するクウガ的要素、
ストーリー初期から複数のライダーが登場するアギト的要素、
変身や戦闘にカードを用いる龍騎的要素、
ライダーに変身する人間が実は怪人であったというファイズ的要素など、
それまでの特徴的な要素を盛り込んだ意欲的な作品となっています。

ディケイドは言わずもがな、過去のライダーとのクロスオーバーが実現し、
新時代への橋渡しとしてまさに総決算というタイミングの作品でした。

このことから、ウィザードに続く15代目の新仮面ライダーは、
カードを使う」 「カテゴリーのある世界観」 「世界の破滅を救う (救いたい)」 

といった要素を含んだストーリーの仮面ライダーになることが予想されます。

それに付随し、Wからウィザードまでのライダー作品の特徴を受け継ぐ、
新たな作品が作られることが予想されますが、
主役ライダーが多岐にわたるさまざまな能力を発揮する、登場ライダーは2人、
幹部怪人および兵隊の登場などベースが似ているので、
今度はこの安定してきた流れを大きく崩した設定になることも考えられます。

むしろ今まで培ってきた要素とは正反対な要素を持つ部分が強調されるのではないかとも、
想像しています。

2人以上で変身する”逆”W的怪人の存在や、
序盤から終盤まで敵対する悪役(ライバル)的ライダーの登場、(映画では協力(笑))
ライダー側にも組織があり、主役の上に幹部級ライダーといった設定があるなど、
このような予想を裏切る新機軸を打ち出してほしいと思います。

さらにタイトルも、ブレイド・ディケイドに共通する「仮面ライダー〇〇イド」というタイトルに…?

仮面ライダー ドロイド
仮面ライダー ライド
仮面ライダー プライド
仮面ライダー メイド
仮面ライダー レイド
仮面ライダー ID(アイディー)

さて、本当にこんな新ライダーが出るかどうかは、2013の6月末までのお楽しみ。
それではよい正月を。

おめもじでした。

仮面ライダー555(ファイズ) Blu-ray BOX1



仮面ライダーウィザード・デザインファーストインプレッション [新仮面ライダー考察]

フォーゼのストーリーも核心に近づく現在、早くも次期仮面ライダーが発表されました。

フォーゼを継ぐのは【仮面ライダーウィザード】。

ウィザード.jpg
赤く輝くマスクに腰のマントが目を引く変身スーツ。


ウィザードは魔法の力が込められた【指輪】を駆使する仮面ライダーとのことで、
マスクも指輪をイメージした造形らしく、独特の表情を生み出しています。

襟付きのコートを纏っているかのような出で立ちもそれに拍車をかけています。

黒いスーツにのアクセント、そのシルバーでスマートに引き締めるシンプルな色彩構成。
従来の仮面ライダーに比べメインカラーが絞られており、
非常にカラフルなスーツやツールが印象的だった近年のフォーゼ・オーズ・ダブルにはない、
ある種のスタイリッシュな雰囲気をかもしているのも特徴的です。

仮面ライダーにおける【腰のマント】は今まではオーガや幽汽といった敵役に見られた意匠でした。
また最近見られるマントはフォーゼの幹部怪人ホロスコープスの共通衣装としてものです。
それが主役に取り入れられるというのも新しい要素です。

魔法の力を扱うということで、その【神秘性】を表現するのに、
見た目にもマントによって隠されている部分がある、それがひとつの説得力を持つ表現になるのでしょう。

かつての仮面ライダーは首にマフラーを巻いていました。
スーツとマスクの境目を隠す目隠しであり、バイクで走るスピード感を表現し、
アクションをより迫力のあるものに、そしていつしかヒーローのアイコンのようになりました。

スーツにたなびく部分がある、これが仮面ライダーにとって追い風となることは間違いないでしょう、
ウィザードの腰のマントもアクションの際には激しく揺れ動き、画面に躍動感を与えるはずです。



ウィザード横.jpg

マスクの赤い部分はそのままルビーの石のように、その周りと首元を覆うシルバー部分は、
指輪のリングの部分をイメージしたものになっています。

それをふまえ、ウィザードの複眼にあたる部分は顔の【宝石】部分を、
シルバーのラインで区切ることで目に相当する位置を表現しており、
マスクデザインは、ファイズと響鬼のハイブリッドとも言える、今までにない質感を作り上げています。

さらにこのシルバーの輪郭に赤い面が重なるヘルメットは、
フォーゼマスクの白いヘルメットに黒い面が重なるそれと良く似た構造です。

額にはOシグナルと細身の触覚にも見えるシルバーのアンテナが飾られています。

これらのことから、かつて非常に独創的だった仮面ライダーのマスクの特徴を抜き出して、
リミックスしたかのような、いいトコどりのマスクと言えます。


近年のライダーマスクは、複眼的な造形を目の部分以外にも用いる手法が目立ちます。
ここで言う【複眼的な造形】は便宜上、透明なパーツ+彫刻パターンを組み合わせた部分という意味です。

それはつまり、ダブルエクストリームの中央ホログラム部分であり、オーズタジャドルのフェイスガードであり、
バースのマスクのガシャポンヘッドであり、メテオの流れ星ヘッドです。

いずれも目の部分以外にも複眼的な造形を用いた見栄えの良い個性的なマスクです。


【ウィザード】はこういった造形手法を基本スタイルの主役マスクに抜擢したものであり、
このマスク造形トレンドもこのウィザードで一つの終わりを迎えることを想像させます。

複眼の形状のアレンジが一度キバで極まったように、複眼の質感をその他に柔軟に取り入れるアレンジも、
ウィザードでひとつの到達点に来たのではないでしょうか。

この時点で、マスク造形のトレンドの転換点に来たことを予感させるウィザード。
きたる第2のディケイドのような破壊的な斬新性を持った新たなヒーローの登場も近いのかもしれません。


おめもじでした。

仮面ライダーウィザード 変身ベルト DXウィザードライバー



タグ:ウィザード

すれ違う隕石とロケット、仮面ライダーメテオ [新仮面ライダー考察]




仮面ライダーフォーゼ16話で初登場した【仮面ライダーメテオ】。

http://www.tv-asahi.co.jp/fourze/rider/meteor.html
テレビ朝日公式サイト内・メテオ紹介ページ

メテオの名前が意味するように、流れ星・隕石を模した独特のマスクが目を引きます。

彗星の別称、ほうき星と呼ばれる長く尾を引く軌跡のイメージをそのままマスク造形に活かし、
この青い半透明のパーツを銀色の素面にかぶせ、下地のディテールを透けさせることで、
独特のイメージを持つ個性的なマスクが生まれました。

過去にもブレイドのマスクで透明パーツを使った造形がありましたが、
最近では比較的よく見られる手法のようで、ダブルエクストリームやオーズタジャドルコンボなど、
多層構造で素材を透かすことにより、新しいイメージを持たせたスーツが作られています。

メテオは光沢のある黒いスーツを着たライダーで、
宇宙空間に無数に点在する星々をイメージさせる細かい白いドットがちりばめられています。

このドットはペイントではなく、ホワイトのラインストーン(模造宝石)を埋め込んだもので、
夜空に浮かぶ星のごとく光を受けてキラキラと輝きます。

また、天球儀を模した変身ベルトを中心に、
波紋がわたるように惑星軌道を描いたような同心円状のディテールがあります。

さらにベルトを星にみたて、メテオの右肩のプロテクターとベルトをつなぐように、
流れ星状のデザインでまとめられており、左右非対称のスーツが印象的です。


左右非対称という一見アンバランスなデザインですが、そこは仮面ライダー。うまく処理されています。
正面から見たとき、マスク右側に流れ星の突起があり、スーツの左肩に青い流れ星の突起が配置され、
さらに変身ベルトも中央ではなくやや左寄りに巻かれています。

独特なマスク造形を活かすために左右で異なるバランスを巧く組み合わせて、
立ち姿の美観とバランスが成立しています。


メテオはフォーゼに登場する2人目のライダーということで、
主役であるフォーゼと、デザインにおいても明確な差別化が図られていることがわかります。

白いスーツのフォーゼに黒いスーツのメテオ。
フォーゼの挿し色であるオレンジと、メテオのブルー
色彩設計上、お互いの色を引き立てあう対照的なカラーリングであり、
小さな子供もエレキやファイヤーなどへ姿を変えるフォーゼともまず混同しないでしょう。


戦闘スタイルはブルース・リーよろしく怪鳥音を叫びながらジークンドーで闘うという個性派。
右腕の専用装備で、拳に【惑星】状のエネルギーを発生させるパンチが見せ場になっています。

一方で、フォーゼといえばドリルキックをはじめとして、足に攻撃武器が多いのも特徴です。
ランチャー、チェーンソー、ガトリング、スパイクなど印象的なスイッチ武器は両足のもので、
パンチが決め技になるであろうメテオとの戦闘スタイルの棲み分けがすでになされていたことがうかがえます。


地上から宇宙へ進むロケットを象徴する【フォーゼ】。
宇宙から地上へ落ちる隕石を象徴する【メテオ】。

明らかに向かう方向が異なり、すれ違う両ライダー。
今後対立するのか、いずれは協力しあうのか。
初登場時には、ホロスコープス側の事情にも通じているらしいセリフをこぼすなど、
どういった立場からドラマに絡んでくるのか、まだまだ謎めいた背景が多いメテオ。

メテオの活躍に期待が集まります。

おめもじでした。


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フォーゼは1号を受け継いでいる。

仮面ライダーメテオ テーマソング Shooting Star



タグ:フォーゼ

フォーゼは1号を受け継いでいる。 [新仮面ライダー考察]

いよいよ一般公開が解禁となった「仮面ライダーフォーゼ」。

オーズを引き継ぐ新番組の担い手として、また新しい仮面ライダーが誕生しました。

ライダーフォーゼ
フォーゼのデザインで注目の焦点となっているのは、その顔。

ロケットを模したかのような円錐状の頭部で、さらに側頭部に小さく翼もついています。

宇宙という題材から、ロケット・宇宙服・スペースシャトルといったイメージを盛り込んだスーツであることが窺えます。

シルエットが従来の仮面ライダーとは異なるため、違和感を覚えたファンからは、
ダサい、気持ちわるい、(笑)という散々なコメントを浴びているようです。

しかしながら、複眼の形状はオーズやダブルとほとんど同じであったり、
飛躍しているように見える中、いくつかの点でライダーらしさがはっきり残されています。

フォーゼ横.jpg
また、昭和ライダーの特徴でもある2本の細い触角型のアンテナの採用は興味深い点です。

クウガ以降、はっきりと1号のような触角を採用したライダーは龍騎サバイブ以外になく、
石森プロの早瀬マサトさんは、クウガのようなツノを基本としたとき、
それ以降、比較的貧弱にも見えてしまう触角タイプには戻れないだろうという意識があったとコメントされています。

おそらく、安易に1号のような触角を採用した場合、一気に昭和ライダー的になってしまい、
懐古主義的な雰囲気が出てしまうのだろうと思います。

それを考えれば、触角が持ちながらもほとんど”昭和ライダー”を感じさせないフォーゼのデザインは、
それだけオリジナリティのある強度を保ったパワフルなデザインだということが窺えます。

最近では、歴代の仮面ライダー達が勢ぞろいする映画やそういったビジュアルも目立ってきており、
中途半端なデザインでは簡単に埋もれてしまう昨今の状況もふまえて、
フォーゼのようなインパクトもある種の必然性から生まれている、と私は考えます。


マスクだけではなくスーツを含めた全身のデザインに視野を広げます。

前作、前々作のカラフルなオーズ、ダブルと比較して、白や黒などモノトーンメインのカラーリングで、
極力色味を抑えた配色は、近年の主役ライダーには珍しいビジュアルです。

しかしメインカラーである白という色は黒に比べて、物理的に軽い印象を抱かせる色なので、
本来迫力の求められるアクション撮影には向かない色だと思うのですが、
そこは仮面ライダー、やはり一工夫あることがわかります。

フォーゼのスーツを横から見ると、ボディ・両腕の側面に太い黒いラインが走っており、
スーツの白との強いコントラストとあいまって、腕、腰、足の動きを目立たせる視覚効果が生まれます。

1号・2号のスーツにある細い白いラインを踏襲したかのようなデザインです。

さらにフォーゼの手足には比較的太めのアーマーが付いており、
軽く見えがちな白を大きくすることで、パンチやキックなど重量感のあるアクションを損ねないように
配慮されているのではないかと思います。


上の写真では見えませんが、
フォーゼのスーツの背面には噴射口らしきスリットのあるパーツがあり、
演出上、何かしらの機能を持つ部分である可能性が考えられます。

走るスピードを加速したり、空を飛んだり、宇宙空間を移動したり、するかもしれません。

いや、もしかしたらフォーゼ自体がロケットに”変身”して宇宙空間に飛び出すのかもしれません。
次世代の仮面ライダーの活躍に期待が集まります。

おめもじでした。

仮面ライダーフォーゼ フォーゼモジュールチェンジシリーズ01 ベースステイツ



新仮面ライダーの違和感の魅力 [新仮面ライダー考察]

毎年新しい仮面ライダーが発表されるたびに、そのデザインが話題になります。

それは次期新ライダーである「仮面ライダーフォーゼ」についても同様です。
少し前にはディケイドや電王のデザインもファンの間で物議をかもしました。

さんざんダサい、あんなの仮面ライダーじゃない、などと言われながらも
すでに平成ライダーは10年以上も続く人気番組となっています。
(むろんデザインだけが番組の人気を左右するファクターだというわけではありません。)

この現象について、ある一冊の本が興味深い見解をもたらしてくれました。

RIMG6014.JPG
それは声に出して”読みたい日本語”の著者などとして知られる斉藤孝さんの「違和感のチカラ」でした。

この本の第2章、「ヒットの前に違和感あり」において、
例に「せんとくん」(奈良県平城遷都1300年のキャラクター)が挙げられています。

せんとくんは仏さまの頭にシカのツノが生えた、いわゆるゆるキャラとして有名です。
最初はその風貌に否定的な意見が目立ち、対抗馬のキャラクターまで作られますが、
結局せんとくんの”注目度”は抜群、「有名」と言ってもさしつかえないキャラクターになりました。

斉藤さんは”違和感をぶつけて勝負した成功例”と評しています。


この章を読んだ時に平成新ライダーの状況と似ている、と感じました。

龍騎の鉄仮面、
ファイズの複眼、
響鬼の隈どり、
電王の桃顔、
ディケイドのピンクとバーコード。

今でこそ、見慣れたファンはかっこよさを認める人も多いようですが、
発表当時のインパクトは相当強いものがあったようです。

さらに斉藤さんはこう述べられています。
先入見を打ち破るところ、予想外を突いていくところに、 感性のひらめきがあり、新しい感覚が入り込んでくる余地ができる
現代はストレートに好感度を得れば人気が出るかというと、必ずしもそうではない。
何らかのかたちで引っかかりのあることが大化けする時代なのだ。”

たしかに平成仮面ライダーには毎年、引っかかりがあります。
デザインもさることながら舞台背景や主人公のキャラクター設定にも見て取れます。
今、ファンは良くも悪くもフォーゼのロケット顔が気になって仕方ない、という印象があります。

既存の概念を突破したデザインを打ち出して勝負することで、
”新しい感覚が入り込んでくる余地ができる。”まさにこの通りだと思います。

龍騎に複眼のないライダーがいたからこそ、響鬼のマスクが生まれ、
カブトのドレイクがマスクの輪郭からはみ出る大きな複眼を持っていたからこそ、
電王やキバといったオーバーサイズの新しい形の複眼が生まれた。

仮に平成ライダーがクウガ、アギトと来て、
主役ライダーは前作を踏襲したデザインという路線で固まっていったとしたら、
これだけ長く続くシリーズにはならなかったかもしれません。
期待通りの安心感は”飽き”をもたらすことでもあるからです。

今はヒーローと呼べる存在のキャラクターは数多くありますから、
より個性的で求心力のあるインパクトがないと、すぐに埋もれてしまうのでしょう。

仮面ライダーの伝統を守りつつ、どこまで新しい地平を突き進んでゆけるのか、
その心意気がデザインに表現されているようで、私は見ていて楽しいです。

次回は新ライダー「フォーゼ」のデザインについて、考えてみます。

おめもじでした。

違和感のチカラ 最初の「あれ?」は案外正しい! (角川oneテーマ21)



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