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マスク研究20 「仮面ライダー弾鬼&鋭鬼&裁鬼」 [マスク研究レポート]

ライダーダンキエイキサバキ1.1.jpg


「仮面ライダー響鬼」に登場した弾鬼(ダンキ)・裁鬼(サバキ)・鋭鬼(エイキ)。

彼らは響鬼たちが所属する猛士・関東支部の正式な音撃戦士であり、
複数名の戦士が関東圏を持ち回りでパトロールしているという世界観を表現していました。

威吹鬼などのレギュラーキャラクターとは違い、登場回数こそ少ないものの、
戦闘スタイルやキャラクターに個性があり印象に残る存在でした。


三鬼正面.jpg
響鬼特有の隈取りラインと額の鬼面で飾られたマスク。

デザインの構成要素はシンプルながら、それぞれシルエットと顔つきに特徴があり、
響鬼・威吹鬼・轟鬼とは一味違う表情を見せています。

隈取りのカラーリングはという、
響鬼・威吹鬼・轟鬼それぞれのキーカラーに近い色分けがなされ、
キャラクターの統一感を持たせながらも、
アレンジの利いた隈取りによってバリエーションに富んだマスクに仕上がっています。

これらの鬼戦士は響鬼などのレギュラー鬼戦士のスーツの改造によって製作されたことが
響鬼の特写写真集「魂」で紹介されていますが、
主役の「響鬼」のスーツは完成までに試行錯誤を経てかなりの数の試作が作られた事は、
結果としてサブキャラクターを充実させたことにつながったのではと思います。

ダンキ1.jpg
TVシリーズ十三乃巻でゲスト鬼戦士の1号となった弾鬼。
変身前のダンキ役を響鬼のスーツアクターを務めた伊藤慎さんが演じていたことが知られています。

顔の中心でX字に交差する隈取りが特徴のシンプルな印象のマスクですが、
これは響鬼の検討段階のデザイン画に似ているものが存在しており、
隈取りがX字に近いバランスで描かれたスケッチがあります。

実際に初期響鬼としてマスク造形まで完成したものを弾鬼として登場させたか、
改造されたものか、ボツ案をブラッシュアップさせたものか、製作の経緯は不明ですが、
音撃戦士の顔付きのベースとなったであろうシンプルさが魅力でもあります。

実際にこのマスクからはレギュラー鬼戦士の特徴を少しずつ感じさせるデザインが見られます。

額の鬼面など造形ベースは響鬼、
カラーリングは威吹鬼、一本ヅノでキバ形状の無いアゴは轟鬼を思わせる特徴があり、
このマスクから派生しそれぞれの完成に至ったと考えてもあまり違和感のないデザインです。


サバキ.jpg
TVシリーズ十五乃巻より登場したゲスト鬼戦士の中では最も登場回数が多いベテランの裁鬼ですが、
その活躍の多くは魔化魍との苦戦であり、
劣勢や窮地、鬼の世代交代がある様子などが裁鬼を通して表現されていたように思います。


黒い仮面に赤い隈取りラインが映える裁鬼のマスク。
赤という色は黒を背景にするとより鮮やかに見える性質があります。

他の鬼に比べ、鋭く直線的にアレンジされた隈取りラインは、
顔の中心からマスク全体へ放射状に広がるように配置され、額の鬼面も響鬼と同デザインながら、
他の鬼とは似て非なる独特な迫力があるマスクになっています。

特に頭部側面で大きくせり出す隈取りラインは、鋭いエッジ形状に仕上げられ、
裁鬼マスクの顔だちを引き締めています。

マジョーラカラーという発色にゆらぎがある特殊な塗料を用いたスーツが話題となった響鬼ですが、
所々に「グラデーション表現」が見られるのも響鬼系スーツの特徴です。

裁鬼の場合、額の鬼面から伸びるツノが金色赤色のグラデーションとなっており、
メリハリの強いマスクデザインの中で、目を引く印象的な塗装表現です。


エイキ1.jpg
TVシリーズ二十八乃巻に登場したダジャレ好きで小柄な鬼戦士の鋭鬼は、
ゲストながら威吹鬼・轟鬼と共闘し必殺技を披露するなど、見せ場に恵まれた存在でした。

弾鬼らとは違い明らかに威吹鬼の造形と似ている点が多く、
登場時期も中盤に差し掛かっていることから、威吹鬼のアトラクション用マスクなどを改造して製作されたものではないかと考えられます。

眉間から続く隈取りラインが左右で大きくなり、真上に伸びているのが鋭鬼の特徴です。
威吹鬼よりも左右の角を大きく目立たせた分、頬にあたる部分はシンプルになっています。

また、カラーリングは他の鬼でも当時の仮面ライダーでも見られなかった
鮮やかな緑青色(エメラルドグリーン)が使われている点も特徴で、
ベースカラーの暗めの赤銅色に映える個性的な配色が魅力です。

三鬼1.jpg
登場シーンが本当に少なく、物語において重要な役どころでもなかったこれらのゲスト鬼戦士ですが、
結果的にマスコレや可動フィギュアなど商品化にも恵まれ、一定の人気を持っている理由のひとつに、
響鬼の世界観がゲストキャラクターに確かな存在感を与えていたことが挙げられると思います。

近年の新ライダーや新フォームの登場と言えば、
物語のターニングポイントであったり、華々しく活躍するクライマックスシーンが用意されていますが、
弾鬼などは変身シーンも無かったり、怪人にとどめを刺すこともなく登場しています。

はっきり言えば扱いがとにかく地味、であるにも関わらずです。

「響鬼」と言えば平成ライダーの中でも独特な世界観を持つ異色作として知られていますが、
劇中では主役の響鬼/ヒビキだけがヒーローとして特別な存在ではない、という設定が特徴です。

響鬼は日本各地を守っている組織の精鋭の中のひとり、という位置付けであり、
そういう意味で弾鬼などのゲスト鬼戦士も響鬼と同格の存在であると言える設定も、
弾鬼・裁鬼・鋭鬼たちのキャラクターを支える確かなバックグラウンドとなっているのでしょう。

おめもじでした。

関連記事
マスク研究13 「仮面ライダー煌鬼」
マスク研究09 「仮面ライダー歌舞鬼」
マスク研究05 「仮面ライダー轟鬼&斬鬼」

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